店舗を構えず通販で何でも買える時代。
170年も続く「本物を売っている」お店があります。伝統を引き継ぐ五代目夫婦が営む老舗荒物屋さんをご紹介します。
SDGsの小物がたくさん!
安政元年(1854年)創業。
八王子で現存する1、2を争う歴史のある商店が取り壊され、さる6月、新しい建物に生まれ変わりました。
歴史ある店
今回の店名は長いです。「あらもの」は荒物屋さん、「米屋」は屋号、店の名前が「守谷富蔵商店」。昔ながらの呼び方です。お米も扱っていますが、お米屋さんではなく、荒物屋さんです。
写真:新築したものの、店構えには昔の雰囲気を残しましたビル自体は昨年から今年にかけ、現代風のオシャレなマンションになったのですが、商店の部分は、あえてレトロな雰囲気です。そこを守っているのが五代目の守谷渉さんと奥様の麻友子さん。守谷さんは長年、大手デベロッパーに勤めていたのですが、ご家族の気持ちを汲み、ご夫婦でこの仕事に就きました。
「うちは今、学校などへの消耗品配達がビジネスの多くを占めています。ですので新築にあたって店の敷地面積はコンパクトにしました。木工や竹細工、ほうき、亀の子束子などの製品が女性たちに人気なんですよ」
束子が人気
見渡すと店頭には木工製品、竹製品が山のように積んであります。SDGs(持続可能な社会の実現)のために、今、もっとも注目されている商品ばかり。日本製も多く、安心して使えます。注目は、「亀の子束子」。亀の子束子本社と長年直取引をしているそうです。棚には、非売品の大きな束子があり、もしかして「お宝」かも……。
写真:木工、竹製品、ほうきなど、全国の優れモノを集めています
ところで取材中、昭和の時代に長年同店に勤めていた番頭さんにお話を聞く機会がありました。聞くと、守谷富蔵商店の起源は、養蚕家が使う機材を売っていたのが発端なのだとか。一番商売が盛んだったころは、ガソリンスタンドまでやっていたのです。つまり、この一角は広く、守谷商店の敷地でした。
四代目の守谷邦夫氏は長く商工会議所の顔を務め、八王子の街中の開発に尽力した人格者だったのです。そんな「街の名士」を父に持つ五代目夫婦ですが、170年の歴史を背負いつつも、現代的な感覚でお洒落な店に仕上げました。
写真:とても仲のいい五代目夫婦
八王子の国道20号線中心地の歴史を長いこと見てきた守谷富蔵商店。通販利用者が多い昨今、でもこんな「本物を売っている」お店を行きつけにするのも素敵ですね。
地域情報紙 よみっこ
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あらもの米屋 守谷富蔵商店
- 住所
- 東京都八王子市横山町15-1
- アクセス
- 八王子駅 徒歩10分
- 営業時間
- 月、火、木、金曜日 10:00~18:00
水、日曜日 10:00~17:00 - 定休日
- 土曜日、祝日
- 電話
- 042-624-2277
- Webサイト
- https://moriya-shouten.com/index.html
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