「がん」ときいて、どんなことを思い浮かべるだろう?
「恐怖」「死」「苦しみ」などの、ネガティブで、暗く、悲しいものではないだろうか。
そんな、ガンへのネガティブなイメージを払拭し、正しい知識や関心を得てもらいながら、『がんでもドヤ顔で生きようぜ!』と前向きになってもらうための音楽イベント「ドヤフェス」が、ついに開催される!
ドヤフェスとは?
ドヤフェスの発起人は、がんと10年以上に渡って闘い続け、2020年に51歳という若さでこの世を去った「まっちゃき(本名:松崎 匡)」さん。
高校時代から大の音楽好き。がん患者となってからは「生きがい」として、音楽イベントの開催や、CDの販売など、精力的に活動してきた。
https://www.facebook.com/matchaki1969
まっちゃきさんが、ドヤフェスを開催したきっかけ。それは、数回にわたる大きな手術、薬の副作用の再発、、、。苦しみや死への恐怖と戦い続けている、そんな時にみた、高校の大先輩「忌野清志郎」さんの、「完全復活祭」での姿だった。「清志郎さんと比べて、自分は何をやっているんだろう・・・」
ガンの進行や合併症が怖くて何もできず、「もう死ぬしかない」と考える毎日。最後には、治療すらできない状態にもなった。それでも、「そんな夢のない毎日を送り、ただ死を待つだけなんてまっぴらごめんだ!」と、どんな状況でも夢だけは持ち続ける強い心があった。
まっちゃきさんは、それからずっと「がんイベントなどでロックフェスをやります!」というメッセージを訴え続けた。その声は、決して「お涙ちょうだい」にならずに、夢を持って生きていたい!何かできる場を生きているうちに作りたい!という同じ想いを持った仲間を集め「ドヤフェス」がはじまった。
ドヤフェスは、バンドあり、ダンスあり、何でもあり!の楽しいイベントだ。ただ、その背景には「ほんの少しでいい。がんに対する偏見や、間違った知識、早期発見のための検診などに関心を持ってほしい!」という、強い願いが込められている。
ドヤフェス、まっちゃきさんへの想い
まっちゃきさんと共に、このドヤフェスを盛り上げてきた、八王子ロックバー大吉のオーナーでミュージシャンの梵野三郎さん(通称:梵さん。写真右)と、同じくミュージシャンで、まっちゃきさんに可愛がられてきた「三四郎」さん(写真左)に、ドヤフェス、そしてまっちゃきさんへの想いを聞いた。
――まっちゃきさんと知り合ったきっかけは?
梵さん:地元八王子の先輩・後輩です。もともと、まっちゃきがぼくを知ってくれていたようでして。
忌野清志郎さんが亡くなり、2009年5月の、新宿での追悼ライブを経験した僕が、「清志郎を歌うんじゃなくて聴きたいんだ」と思い、八王子で2009年6月に追悼イベント「八王子ロックンロールショー」を開催しました。その時に、まっちゃきが駆け付けてくれたのが、きっかけですね。
ちなみに、「八王子ロックバー大吉」は、まっちゃきによる、がんに悩んでいる方に向けた相談室の場としてオープンした、という経緯もあります。
三四郎さん:ぼくは、まっちゃきさんに「飲みに行くぞ!」と誘われて(笑)。
――ドヤフェスはどのように始まったのでしょう?
梵さん:付き合いがはじまった直後に、まっちゃきにがんがみつかりました。2009年ですね。その時は治療して、再発しなければ問題ない状態に回復しました。でも、残念ながら、数年後にがんが再発してしまった。
そんな時、まっちゃきから「ロックフェスやります!」という話を聞きました。実は、それ以前にまっちゃきの友人から「まっちゃきがロックフェスをやるらしいので、梵さんの力を貸してあげてほしい」と打診されていたので、「OK!分かった!」と協力することを約束し、支援しました。
ちなみに、はじめてドヤフェスを開催する際、まっちゃきが、いきなり「山川のりを(ギターパンダ)さんにも出演してほしい!!」と言い出しました(笑)。山川のりをさんといえば、忌野清志郎2・3’s(ニーサンズ)のギターを担当していた、僕にとってもギターヒーロー。
まっちゃきは、のりをさんのライブ会場に企画書を持って乗り込み出演依頼をしたようで、その時のりをさんは企画書を見もせずに即答で快諾してくれました。
「やりましょう!」と。この出演快諾を受けて、まっちゃきが僕に自慢してきたのが忘れられないですね。「誰が出ると思いますか?」なんて、にやにやしながら(笑)
――・・・そんな経緯があったんですね・・・!ちなみに過去のドヤフェスは、どのようなものでしたか?
梵さん:コロナ前までは、年2~3回ほど、全国展開を目指して開催していました。初の開催は、神保町のライブハウスで、その時は50人ほど入る場所にも関わらず、100人もの人にお越しいただくという盛況ぶりでした!新宿にある300人程度が入るライブハウスでは、過去最高の400名もお越しいただき、入れない方もいるほどでした。
まっちゃきはがんに罹患している状態でしたが、そんな風には全く見えない、とても前向きに楽しんでいましたね。そんなまっちゃきは、がん患者さんの希望の星でした。その力もあり、ドヤフェスが成功していったのだと思います。
三四郎さん:ちなみに、ドヤフェスにお越しいただく方は、がん患者さんが半分、健常者の方が半分と、ほかのがんのイベントに比べても、健常者の方の割合が多いんです。
――がん患者さんがほとんどだと思っていました・・・!
梵さん:はじめは、がん患者さんに向けて「あきらめないで人生を楽しもう!」というメッセージが強かったです。
ただ、まっちゃきが、1度目のガンのあとに保険を解約してしまい、2度目のがんになってから金銭的な余裕がまったくなくなってしまった。それで国や行政に頼ろうとしたところ「40代のガン患者への補償が薄い」という残酷な現実にぶち当たってしまいました。
三四郎さん:それで、途中からは「がんに向き合うには、保険や検診は本当に大切だ!」というメッセージを伝えたい、という気持ちが強くなったんだと思います。
ドヤフェスのメッセージでもある「ちゃんと保険に入れよ!検診行けよ!」のフレーズは、こうして生まれました。
梵さん・三四郎さんからのメッセージ
梵さん:まっちゃきが亡くなってから、はじめてのドヤフェスになります。まっちゃきは不在ですが、山川のりをさんの存在もあり、実現できることになりました。僕は、まっちゃきという人間がいたことを知ってほしい!という想いも強いので、本当にうれしいですね。
三四郎さん:過去には、まっちゃきさんのおかげで、ガンの検診を受けた方もいるので、今後、全国各地でドヤフェスを開催してもらって、そうした方が1人でも増えたらうれしいですね。
ドヤフェス2023 開催概要
◆ 日時:10月22日(日)OPEN 14:30 START 15:00
◆ 料金:CHARGE 2,500円(前売)3,000円(当日)
◆ 会場:八王子papaBeat 八王子市三崎町2-7 ヨーロービル 2F
◆ お問合せ:03-3819-6700(有限会社PWS)
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