人とまちが繋がる新しいかたち。『カレーショップBLG！』が提供する一皿に込められた想い

八幡町の関根生鮮市場の2軒隣に、『まちはぐ』というシェアキッチン＆シェアスペースがあります。そこで、月2回程度、デイサービス利用者が運営するカレー屋『カレーショップBLG！』が開かれているのをご存じですか？とても素敵な取り組みをされているので、ご紹介いたします！

地域の人が気軽に立ち寄れる場所

八王子駅北口から徒歩17分、甲州街道沿いにある新築分譲マンションの1階にある店舗に『まちはぐ』があります。「まちと仲良くなれる場所」というコンセプトで、シェアスペースとして2022年3月に誕生しました。

同スペースで、認知症当事者の方、地域密着型デイサービス『DAYS BLG!はちおうじ』のスタッフと、包括支援センター、株式会社エーザイの方々が協力し、一緒にカレー屋を運営していると聞きお伺いしました。

お昼時に覗いてみると、なんと満席！超人気ですね！近所の方や近くの会社で働いている方、BLGのメンバーさんなど、いろんなお客さんが来店されていました。

元小料理屋店主の作るカレーメニュー！

BLGメンバーで、小料理屋で料理人をしていた窪木さんが中心になり考案した、BLGカレーとキーマカレー。そしてその2つを同時に楽しめるハーフ＆ハーフを提供しています。すべてサラダ付きです。＋50円でコーヒーを付けることもできます。

BLGカレー サラダ付き 700円

前日に玉ねぎをカラメル色に炒めて仕込んでいるBLGカレー！辛さは、程よく辛くてみんなが食べられる中辛。大きめに切られた玉ねぎがトロトロに煮込まれており、薄切りの豚バラ肉と一緒にほおばると…最高においしい！

セットのコールスローサラダ。爽やかな風味でカレーの箸休めにちょうど良い！

ハーフ＆ハーフ サラダ付き 800円

BLGカレーとキーマカレーが両方楽しめる、スタッフおすすめの一品！BLGカレーはスパイシーなのに対して、キーマカレーはトマトの風味とたまねぎの甘味が辛みをマイルドにしていて食べやすいお味。ひき肉がたくさん入っているので食べ応えバツグン！1品で違った味わいが楽しむことができます。

ちなみに、取材日の12:30時点でキーマカレーは完売してしまいました…！キーマカレーやハーフ＆ハーフが食べたい方は、早めの時間に来店することをおすすめします！

試行錯誤しながら楽しく運営

『DAYS BLG!はちおうじ』は、メンバーの「やりたい」を実現するデイサービス。「今日は何がしたいですか？」から、BLGはちおうじの一日が始まり、その日のプログラムや昼食を自分たちで決めて1日を過ごしているそう。

大手ファミレス店の店長をされていた水野さん(写真一番左)と、小料理屋で料理人をされていた窪木さん(写真左から2番目)。『カレーショップBLG！』は、おふたりの『もう一度お客さんの前に立ちたい』という気持ちを実現すべく始まりました。オーダーの取り方やカレーの作り方など、どうやったらもっと上手くできるのか、BLGメンバーやスタッフの方々で試行錯誤しているそうです。

認知症になると、できなくなることが多くなりますが、周囲のサポートがあれば普通の人と同じように仕事をして生活することができます。介護されるだけの生活は望んでおらず、認知症になる前と同じ生活がしたい、地域社会とのつながりを大切にしたい、ひとりの人として生活をしたいという思いを抱えている方が多いのだとか。

結果よりもプロセスや過程を大事にしながらBLGメンバーを支援しています。「認知症で危ないからやめてね」という言葉を投げかけるのではなく、本人の「やりたい」という声を第一にして活動しているのだそうです。

「誰もが暮らしやすい社会を作っていきたい」と語ってくれた『DAYS BLG!はちおうじ』の代表・守谷さん。「ここが地域の人にとっての誰でも立ち寄りやすい居場所になればいいなと思っている」と語ってくれました。『DAYS BLG!はちおうじ』の活動を通して、社会とつながり成功体験を重ねて自信を回復したメンバーさんが多いそうです。
DAYS BLG!はちおうじ 公式サイト

『カレーショップBLG！』のような活動が当たり前になる社会に。「認知症だから、なにもできない」という偏見がなくなることが最終的なゴールだとおっしゃっていました。

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