【前編】八王子の風景がこんなにたくさん!『剣に焦ぐ』作者の浅岡先生にインタビュー

『サイコミ』で好評連載中の漫画『剣に焦(こ)ぐ』には、八王子市の風景が多数登場し、地元の読者なら思わず見覚えがあると感じるシーンも。「作者の浅岡しゅく先生は八王子出身なのでは?」という疑問が編集部内で浮かび、先生に連絡を取ってみると、なんとインタビューに応じてくださいました。

『剣に焦ぐ』ってどんな漫画?

「八央子の鬼子」と呼ばれるほど喧嘩に明け暮れていた不良少年・灰島了一が、警察官であり全日本剣道選手権大会の東京都代表でもある小宮直希との出会いをきっかけに、剣道と出会い、人生が一変する超本格青春剣道ストーリー。剣道を通じて魂が成長していく姿が描かれています。

現在、『サイコミ』で好評連載中! 全話基本無料で楽しめるうえ、試合シーンの迫力は圧巻。ページをめくるたびに思わず息をのんでしまいます。

サイコミ公式HP:https://cycomi.com/title/99

『剣に焦ぐ』第21話より

インタビューは八王子ジャーニー編集部のNが行ないました。右奥が浅岡先生で、手前がCygames 漫画事業部 デスクの富岡さん。

生まれも育ちも八王子

――『剣に焦ぐ』を読んでいたら、頻繁に八王子が出てくる。「なぜこんなに八王子が出てくるのか?」と気になったのがきっかけで浅岡先生にメールをいたしました。

ありがとうございます。私はほぼ毎日、八王子ジャーニーさんをチェックしていますよ。八王子の情報サイトの中で一番見やすいのがジャーニーさん。あと、ジャーニーさんって情報が早いですよね。まだ、できていないけれど、できるらしいよ、みたいな情報も記事にしています。先ほどセレオ八王子の休館と営業時間変更のお知らせの記事を読みました。

――セレオ八王子の情報をチェックしているということは……

はい、生まれも育ちも八王子で、八王子市在住です。担当の富岡さんには打ち合わせで八王子に来てもらうこともけっこう多いんです。ちょうど、先ほど『京王プラザホテル』のラウンジで昼食をすませました。富岡さんがあそこのビーフカレーが好きすぎて(笑)
今日は昼食だけですが、打ち合わせで使うことも多いです。打ち合わせだと、長居をしてしまいます。ご飯食べた後にケーキも食べて、みたいな。

――フルコースですね! 作家さんと編集者さんの打ち合わせといえば喫茶店というイメージがあります。

『八王子珈琲店』さんも入りやすいので、よく使っています。あとは、セレオ八王子の中に入っている『Afternoon Tea』さん。無限にチャイを頼んだり(笑)

先生から頂いた名刺

――漫画の中の八王子は八央子と漢字は違いますが、やはり八王子を舞台にしたいという思いが強かったのですか?

八王子にずっと住んでいるから、土地勘があります。キャラクターとその位置関係とかもイメージしやすいっていうのがまずありました。写真を撮ったり、資料も集めやすいというのも大きいですね。ただ、八王子をそのまま八王子で出しちゃうと、ちょっと八王子ってやんちゃな人がいるイメージがある(笑)
1文字変えようかなと思いました。

『剣に焦ぐ』第6話より

八王子駅南口ロータリー

――キャラクターの名前に八王子や多摩地域の地名が使われていますよね?

基本的に駅名を使っています。漢字は変えていますが、主人公である了一君の苗字・灰島は八高線の拝島から取っています。了一君と同じ学校の子たちは京王線から取っていますね。というのも私の母校が京王線沿線にあるからです。主人公が通う紅泉高校は完全に私の母校をモデルにしています。

『剣に焦ぐ』第12話より

――(浅岡先生の出身高校と生まれの年を聞いて)え、私の弟と一緒の高校! しかも被ってます。弟が1年生の時、先生は3年生です。

え〜!私の後輩ですか!私の頃と比べると、今は制服がかなり可愛くなっていて羨ましい。偏差値も上がったみたいで、今受けたら合格できるか心配ですね(笑)
通っていた高校はかなり山の上にあって、野生動物も来るくらい自然豊かななところでした。「多摩動物公園から脱走してきたのかな?」とか友人と話していたのが懐かしい。八王子は山があっていいですよね。高尾山もすぐですし。

『剣に焦ぐ』第11話より

――八王子の山といえば高尾山。先生は登られたことはありますか?

「初日の出を見たいね」ってなって、みんなで登りました。「星がきれい!」と感動しましたが、あまりに寒すぎる。日の出まで3〜4時間も座って待てない。もう無理となって、見たことにして帰ろう……と。このくだりを漫画の中で使いました(笑)
あと、明記はしていませんが、主人公の了一君が先輩の師範の家に一緒に修行へ行くっていうシーンは高尾山をイメージしています。その時に出てくる温泉というのも高尾山口駅にある『極楽湯』がモデルです。

見たことがある八王子の風景

――出てくるお店や背景がリアルです。制作にあたって取材はけっこう行かれたんですか?

背景に関しては基本的にアシスタントさんにお願いするので、やはりこちらが写真や資料を渡した方が解像度が上がります。想像上で描いてもらうとどうしても適当な感じになってしまうので。基本的には自分で写真を撮りに行っています。

八王子駅南口の広場は印象的な場面で使いたいと思いました。普段は人がいるので、朝4時に起きて撮りに行きました。

『剣に焦ぐ』第6話より

八王子駅南口広場

――狭間先輩の防具屋は明神町にある『ヤマナカ武道具産業』さんがモデルですが、本当にそのままだと思いました。

あそこは私が小学生の頃から通っていた防具屋です。掲載のご相談をして、写真を撮らせてもらいました。ヤマナカさんには本当に久しぶりに取材で伺いましたが、自分が小学生の時に行った時と同じだった。「名前は変えていいですか?」と相談したら快諾いただいて。写真もしっかり撮らせていただき、漫画の舞台で使わせてもらいました。

主人公が竹刀を作ってもらうシーンがありますが、自分が子どもの頃も、同じように合わせてももらいました。安価なものがネットで買えますが、久しぶりに訪れて、改めて実店舗の良さを感じましたね。いまだに武道具屋さんをやっていただいているのが本当にありがたい。

『剣に焦ぐ』第52話より

所在地:東京都八王子市明神町4-1-7

――変わらないのが八王子のいいところです。そういえば、隣に『LOVERAMICS(ラブラミクス)』というコーヒーカップメーカーが最近オープンして、記事にしました。

その記事見ました! 私、コーヒーすごく好きなんですよ。記事を見て、コーヒーカップがかなり可愛くて、今度行ってみたいと思ってました。このインタビューが終わったら寄ってみようかな。

コーヒーカップメーカー『LOVERAMICS(ラブラミクス)』八王子で日本第一号店がオープン!

こんにちは!ひかりとさとしです。ラテアートの世界大会で、認定カップとして使われているコーヒーカップメーカー『LOVERAMICS(ラブラミクス)』が日本に初上陸!第一号店が八王子にできたと聞き、早速行ってきました! [toc] […]

――本当によく八王子ジャーニーを見ていただいていて嬉しい限りです。作中には他にも八王子のお店がよく出てきます。『富士屋』さんが印象的でした。

『富士屋』さんには、普通にお客さんとして買い物に行っています。主人公が何かバイトをする社会人経験を積む話を書きたいね、となった時にチェーン店よりは地元のお店でどうかなって思って。割と作品にお肉を出していたので、『富士屋』さんが頭に浮かびました。お願いしてみたらOKをいただき、写真も撮らせていただき、作中に使わせていただきました。

『剣に焦ぐ』第149話より

所在地:東京都八王子市横山町16-6

――オーナーさんも出てきますよね。本当にそっくりです。そのほかにも『焼肉大関』さん、『天正庵』さんなど八王子がたくさん出てきます。

『天正庵』さんはもともとけっこう行っていました。そんなヘビーユーザーではないですが、10年くらい前から通わせてもらっています。『焼肉大関』さんは、『天正庵』さんの隣で、地元のお店だったので、お声掛けさせていただきました。そうしたら、兄の知り合いがやっているお店だったみたいで(笑)

『剣に焦ぐ』第228話より

所在地:東京都八王子市子安町1-29-1

『剣に焦ぐ』第80話より

所在地:東京都八王子市子安町1-29-1

――八王子、繋がっているあるあるですね(笑) こんなに八王子を出してくれるなんてうれしいです。

八王子の人って八王子から出て行かないですよね。久しぶりに友人と連絡をとったら、八王子に住んでいる人が多い。私も戻ってきたのでね。八王子は適度にいい(笑)
さっきも、富岡さんと「八王子にないものはないぞ!」って話をしていました。無印もカルディーもユニクロもGUもロフトもある。都心で売り切れている人気商品が八王子では買えるということもあります(笑)

インタビュー後編は現在、鋭意編集中です! 近日公開予定ですので、お楽しみに!


八王子ジャーニー編集部

作中に出てきた風景を写真におさめるべく聖地巡礼をしてきました! 「はたして先生はどの立ち位置から写真を撮ったのだろうか?」など推理をしながらの撮影はさながら探偵のようで、楽しいものでした(笑) そして、編集部員Nと先生の地元トークがマニアックすぎて……先生の八王子愛を強く感じました!

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