
14歳からインド料理人
この20年、日本中にインド料理店が激増しました。現在その数2,000軒以上。でも実はその9割が「インネパ店」と言われる「ネパール人のインド料理店」で味も画一的です。
ところが、今回ご紹介する『コルカタ ビリヤニ&カバブ』の各種カレー、ビリヤニは最初食べた時から「何か違う!」。各種スパイスが口の中で交錯する。辛いのではない、深みのある味です。
「私は5つ星ホテルの料理人でした。味は妥協しない」そう語る同店のオーナーシェフ、アブドゥルさん(40)。彼はパキスタンの首都、イスラマバード出身で14歳からインド料理を作り続けてきました。
「パキスタンとインドは元は同じ国。食文化もほぼ同じです」。

14歳から料理人。22歳で日本に来たアブドゥルさん。ケバブサンドは600円~
ウリはビリヤニ。ビリヤニ地域一番店を自負
念願だった自分の店を昨秋、八王子に持ったアブドゥルさん。並んでいるスパイスは10種類以上、ガラムマサラ(ミックススパイス)も、自分で調合します。小さなキッチンですが、すべて注文を受けてから、フライパンで料理します。多少時間がかかるものの、出来上がりはスパイシー。
「これがインド料理なんだ……」と目からうろこ。
ここのウリは店名にもなっている「ビリヤニ」。ビリヤニ用のバスマティ米(香り米)とパイスを炊き、その上に煮込んだ肉(マトンか鶏)を置き、また炊き込んだ香り米をのせ、インドの漬物(アチャール)などを散らします。

ビリヤニは蒸したコメの上に肉を乗せ(上)、その上にまたコメを乗せて完成(下)。
1200円のセットには、ライタと呼ばれるヨーグルトサラダ、甘めのラッシーが。お好みでこのライタをかけて食べるのがインド流だそうです。2人前はあるだろう、豪華な量ですが、味は本当に繊細です。こんなにマトンがおいしく食べられたのは筆者、初めてです。「ビリヤニでは地域一番を自負してます」とアブドゥルさん。
そして、写真のカレーセットは、なんと650円!

カレーのテイクアウトセット(650円)
日本では大きなナンが流行りましたが、インドではあまり食べられず、写真のパラタやチャパティ(いずれも発酵させない生地)が一般的だとか。狭い店なのでテイクアウト中心ですが、店頭で食べるのも可能。彼が作るチャイやラッシー(各350円)だけでもOKです。(高田)

所在地:東京都八王子市中町7-8
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