揚げたての香ばしさと旬の恵みが広がる!五感で楽しむ『天ぷらたかはし』の逸品

八王子・中町の花街にある『天ぷらたかはし』は、都心の名店にも引けを取らない味を楽しめる八王子の実力派。三周年記念コースでは、職人技が光る天ぷらと自家製そばを贅沢に堪能できます。

和モダンな外装

八王子駅北口から徒歩7分。かつて織物の街として栄えた八王子・中町の花街に佇む『天ぷらたかはし』は、「都心の味を八王子で」と評判の一軒。黒塀が続く風情ある通りの先に位置しています。優しいあかりが灯る掛け看板が出迎えてくれます。

所在地:東京都八王子市中町10-5

高級感あふれるカウンターで贅沢なひと時

店内はカウンター中心の落ち着いた空間で、山吹色の壁が上質な雰囲気を演出。目の前で大将が天ぷらを揚げる所作が見られるのも魅力のひとつです。飾られた骨董品の数々が、空間に一層の品格を添えています。

幸福になれる三周年記念コース

5月からは、開店三周年を記念した特別コースが登場します。先付から始まり、魚介、エビ、旬野菜と続く多彩な天ぷらに、珍しいうなぎの天丼など、見た目にも楽しい構成です(仕入れにより食材の変更がございます)。締めには、人気の自家製手打ちそばが提供され、満足感たっぷり。コースの提供は5月中の18:00スタートのみで、前日までの予約制です。

料理に寄り添うお酒のラインナップも充実しています。繊細な天ぷらの味わいを引き立てる日本酒やワインが揃い、そのマリアージュも楽しみのひとつ。

先付 旬野菜の和え物としじみスープ

この日の和え物には、ウルイ、菜の花、せり、春菊、水菜といった旬の野菜が使われていました。自然な甘みが引き立つ味わいの中に、菜の花のほろ苦くピリッとした辛味がアクセントとして効いており、春の息吹を感じさせます。シャキシャキとした歯応えも心地よく、箸が進む一品です。

しじみスープには、青森県・十三湖産のしじみを使用。素材の旨みを最大限に引き出すため、水と昆布、料理酒だけという極めてシンプルな構成ながら、驚くほど濃厚な仕上がり。煮詰められたエキスの深みがあり、「これだけで?」と思うほど。しじみに含まれるオルニチンには二日酔いの予防効果もあるとされており、これからお酒を楽しむための「身体を整える一杯」として、まさに最適なスープです。

天ぷら

『天ぷら たかはし』の揚げ物は、軽やかな食感が特徴。数種類の油をブレンドし、特に香り高い「太香胡麻油」を使うことで、揚げ物にありがちな重たさが一切なく、上品な香ばしさを生み出しています。

素材によっては衣をつけず、ハケで粉をまぶすだけにするという徹底ぶりで、素材本来の味を引き立てています。

車海老

国産の車海老を使った一品。頭の部分は「大人のカッパえびせん」と表現されるほどカリッと香ばしい。身はプリッとした弾力とともに噛むごとに甘みがあふれ出します。火入れの絶妙さが際立ち、まさに職人の技を感じる天ぷらです。

塩は、粉雪のようにきめ細かく、自家製ブレンドで作られたもの。どっさりとつけても重たくならず、車海老の甘さをより引き立ててくれます。

新玉葱

兵庫県・淡路島産の新玉葱を使用。絶妙な火入れで水分をしっかりと閉じ込めており、噛んだ瞬間にジュワッと口の中に甘みが広がります。甘すぎず、あっさりとした味わいで、天ぷらとは思えないほど軽やか。春ならではの瑞々しさが魅力です。

東京湾・走水で水揚げされた新鮮な鯵を使用。衣はサクッと軽く、身はふわっと柔らかでホクホクとした食感。上に添えられた関東風の田舎味噌と生姜を効かせた味噌ダレが絶妙にマッチし、塩で食べる天ぷらの中に良い変化を与えてくれます。食べ進める中での味のメリハリが心地よく、印象に残る一品です。

春の味覚・新筍を使用した天ぷら。表面に塗られた自家製ダレは、そばのカエシを出汁で割ったもの。香ばしさを加えるために、提供直前にバーナーで炙られています。上に添えられた鰹節は削りたて。筍の甘みと香ばしいタレ、そして削りたて鰹節の風味が三位一体となり、五感を刺激する天ぷらに仕上がっています。シャキッとした食感とともに、上品な甘さが広がります。

うにアボカド

アボカドの天ぷらに、濃厚なウニ、魚卵のとびっこ、芽ねぎを合わせ、海苔で巻いた創作的な一品。天ぷらにはそばつゆのカエシにざらめと日本酒を加え、煮詰めた特製ダレがかけられています。

カウンター越しに「どうぞ」と手渡され、がぶりと一口でいただくスタイル。口の中でアボカドのクリーミーさ、ウニの濃厚な旨み、とびっこのプチプチとした食感、海苔の香りが一体となって広がり、複雑で贅沢な味わいが楽しめます。

佐渡原茄子

全国各地のナスを試した中でたどり着いた、こだわりの逸品「佐渡原茄子」。豊富な水分を含んでおり、口に入れると驚くほどジューシー。ジュワッと溢れる果汁感に加え、あとから広がる自然な甘さがたまりません。火の通し方も絶妙で、ナス本来の瑞々しさととろけるような食感がしっかりと生かされています。

アスパラ

太めのアスパラを贅沢に使用した天ぷら。穂先と根元で揚げ時間を調整することで、それぞれの食感を活かした仕上がりに。噛んだ瞬間、まるで「アスパラジュース」とも言えるほどの瑞々しさがあふれ出します。まずは塩だけでシンプルに味わい、その後レモンをひと絞りすれば、爽やかさが加わり、また違ったおいしさに出会えます。

芝海老と野菜のかき揚げ

茄子、ウド、三つ葉、サツマイモ、ゴボウなどの旬の野菜と芝海老を使用したかき揚げ。サクサクと軽やかな衣の中に、野菜それぞれの旨みがぎゅっと詰まっています。野菜の持つ個性と芝海老が調和し、噛むごとに違った味と香りが楽しめる一品です。

新じゃが芋

新じゃが芋を20~30分かけてじっくりと火入れ。ホクホクとした食感で、中までしっかりと火が通っています。マグロの酒盗に酒と卵黄を加えて練ったコク深い餡を添えています。まるで高級なじゃがバターのような風味で、ほんのり塩気が効いており、シンプルながらも深い味わいが魅力です。

穴子

『天ぷら たかはし』では珍しく、こちらは天つゆでいただきます。そばのカエシをベースにした自家製の天つゆは、優しい甘みとコクがあり、穴子のホロホロとした柔らかい身と相性抜群。これまで塩でいただいてきた流れの中にあって、しっかりとした変化を楽しめる一品です。

一口うな天丼

うなぎを下焼きせず、すべて油で仕上げるという、大将ならではのスタイルで作られた一口サイズの天丼。油で揚げることで川魚特有のクセが抜け、ふんわりとした優しい味に仕上がっています。普段食べるうな丼とはまた違う、新鮮な感動があります。

天ぷらはそばのカエシから作ったタレをつけてバーナーで炙ります。香ばしさが出て、見た目もいい。

酢の物 お口直しの和風ピクルスともずく酢

お口直しには、自家製の和風ピクルスと山口県産いともずくの酢の物。ピクルスは新玉ねぎやパプリカなどの彩り野菜を、昆布と鰹の出汁、ワインビネガー、薄口醤油で漬け込み、仕上げにゆず果汁をプラス。爽やかな香りと優しい和の旨みが広がります。

もずく酢には、上質な山口県産いともずくを使用。鰹出汁と千鳥酢で味を整え、酢の物特有のツンとくる刺激はなく、まろやかで飲みやすい仕上がり。常連客の中には一口で飲み干す方もいるという、心地よい酸味と旨みのバランスが絶妙な逸品です。

自家製手打ちそば

天ぷらの名店ながら、そばを楽しみにしているお客さんも多いといいます。北海道の江丹別産の蕎麦粉を使用し、二八そばに仕上げています。厨房で自らそばを打ち、その日の気温や湿度に応じて加水率を調整。過去の天気、気温、湿度、加水率のデータを記録しているという徹底ぶり。四角く揃った断面が心地よい歯ごたえと喉越しを生み出しています。

運ばれてきた打ち立てのそばは、まず艶やかな佇まいに目を奪われます。しなやかな細麺からはそば粉の香りがふわり。噛むとほどよい弾力があり、のどをすべるように消えていく。まさにそば通も唸る味わいです。

つゆにも妥協はありません。出汁とカエシを合わせたあと湯煎で温め、いったん冷風で冷却。さらに旨みが引き立つ80℃で保ち、そこから自然に冷ますという丁寧な工程を経ています。こうしてじっくり寝かせたつゆは、まろやかで奥深く、そばの香りと見事に調和します。そば湯を入れて飲み干したくなるうまさです。

どの料理にも、店主・高橋壮禎さんの丁寧な手仕事が感じられます。都心の日本料理店で腕を磨いた高橋さんは、黙々と調理に向き合い、妥協のない姿勢で料理を仕上げます。こだわりの天ぷらとそばは、思わず「また来たい」と感じさせてくれる一品です。


八王子ジャーニー編集部

一品一品に大将の技と真心が込められていて、どれも印象に残るおいしさでした。空間の居心地も抜群で、大切な人を連れて再訪したくなるお店です。和の風情と味の深みをぜひ堪能してみてください!

天ぷら たかはし 

住所
東京都八王子市中町10-5
アクセス
八王子駅北口 徒歩7分
営業時間
17:00-22:00(最終入店19:30)
2025年5月のイベント中は18:00〜のスタートになります
定休日
日曜日
※その他連休あり
電話
042-649-7337
Webサイト
https://tentaka0520.com/
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